なんだか、音楽ビデオで面白いものを探していると…じぶん的に興味があって選ぶものがどうしても…
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ワンカットの音楽ビデオ!
になってしまうのです。
今日もそういう視点で選びました…と言うわけではなく、久々に…
The Chemical Brothers のビデオに出会いましたので、ご紹介!と思い、見始めたら、「ワンカット」だったのです。なんでこうなるんだろうー。
それはさておき。
やはり、興味深いビデオでした。面白い、とか、かっこいい、ビデオか?と問われると、「???」ですが。
(だいたいそういうビデオが多いね、The Chemical Brothersは)
サムネール画面が、ある意味ビデオ全体の「演出」を示しているのですが、やはり一度全編見てみてほしく。
この生身の人間がどうやってこうなっていくのか?
踊っている人を全曲にわたって「マスク」を切り…
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マスクを切る、とは、いわば「人物の輪郭にそって、その人物の映像を切りぬく」こと。
いまでは、Photoshopなんかでも「マスク」っていう言葉を使うから、比較的馴染みがある言葉ですね。
そのPhotoshopなんかだと、写真1枚だからそれなりの時間で、マスクを切る作業は終わるわけですが、
この「Wide Open ft.Beck」は、5分半くらいあったので、秒30コマで…
30(コマ)×60(秒)×5.5(分)=9,900枚
分の人物の輪郭を切り出す(実際に人物の出ている時間はもっと短いですが)作業をする、と。
気が遠くなります。
で、輪郭を切り出したとして、次の疑問。
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人物の背後にあって隠れていた「背景」が、この「網状の人物」の「網の隙間」からちゃんと見えている。
そこは、撮影時には「ない」(だって、人物の背後は、人物に遮られて映ってないからね)のだ!
ということは、その隙間から見えている「背景」を、一コマずつ「CG的に『描いて』いる」のか…!?
これも大変。
…と、この辺まで考えたところで、ふと目に入ってきたのが、
このビデオのメイキング。
なんだ、あるじゃん!
…上記の「考察」をはるかに超えるやりかたでした。でももしかしたら、いまやこの方が簡単(とは言えないが、結果効率とクオリティの面で良い)なのかも。
まあ、見てみて欲しいのですが。
全部「改めて」作っちゃうのね。
面白いのは、ここまで手間をかけて、
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さて面白い作品なのか?と、問われると、「???」なのが、The Chemical Brothersの摩訶不思議なところでして。
例えば、The Chemical Brothersの名作、
「Star Guitar」。
これがまた、いいのかわるいのか(笑)。
わたくしなんぞは、音と絵の「強力なシンクロ」がまったくわからず(というか気づかず…涙)、MTVなんぞの賞を取ったという意味が全くわからなかった次第でして。
いま見ても、さして感心もせず。
でもですね、実はこれにも「メイキング」があり、
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「本編」より「メイキング」が面白い、代表的な音楽ビデオ「Star Guitar」!
これがそのメイキング。The Chemical Brothersのベスト盤のDVDに入っていたので、ご覧になっている人も多いかと思いますが。
わたくしは、これをみて「Star Guitar」の凄さを感じました。というよりは、このメイキングが本編でもいいのに!とさえ…本編とメイキング、どちらが「アートの匂いがするか?」と言えば、圧倒的に「メイキング」な気がするので…!
これ、オススメです。
で、なぜこんなに
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ワンカットに惹かれてしまうのか?
これについても考察しましがが、簡潔に言えば、
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YouTuberの作る映像が、比較的ワンカット(ワンアングル)になっているものが多い!からなのでしょうね。
音楽ビデオの最大のライバルは、「YouTuberの作る映像」なのだと思っていて、そのライバルが、音楽ビデオがやるべき「臨場感溢れるワンカット映像」で視聴数を稼いでいる、そんな状況下では、やはり、
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音楽ビデオの名作を、ワンカットものに求める、気持ち!
が、強くなってしかるべきなのかな、と。
と、最後は親父の小言でした!
では、次も、See Your Music!
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