第3回の今日は…
「名作を知ろう!〜 "RINJIN" by レピッシュ」
です。
そういえば、MV(ミュージックビデオ)、音楽ビデオ、PV(プロモーションビデオ)…いろんな呼び名がありますね。
どの呼び名を使っても良いですが、ここでは今 一番通りのいい「MV」という呼び方を使いましょう!
この「MV」、いったい最初のものは何だったのか?みたいなことがよく話題になります。
日本だと、映画ニュース
(っていうのが、昔はあったんですよ。映画館で本編が始まる前に流れる「フィルムの芸能ニュース」みたいなものですね)
で、歌っているシーンがありましたが、あれが「原型」という話もあり。
世界的に見れば、
The Beatles の一連の映像(TVショー出演の映像ではないもの)が、それだという人も。
そして、今のMVの「地位」を確立したのは、一般的には " Thriller " by マイケル・ジャクソン ということになるのでしょう。
そうそう、このビデオも、結構初期の名作。
この「手法」は、のちに…
INXS というバンドの " Mediate "という曲で「カバー」されました。
これら、今回紹介するMVの手法・テーマにも通ずるものがあります。
これらに似たような「手法」は、日本のMVにも、数多くあった … それくらい、ベーシックな「手法」というわけです。
…「手法」と言えば、
ちょっと話はそれますが…
専門学校でも芸術系の大学でも、「映画」を教える学部・学科はありますね。
「写真」も「絵画」も、同様に「学問の一つとしてその位置が確立」されています。
では、
「映像」、あるいはその「手法」面 はどうでしょう?
よく「映像学科」なんて言い方もされていますが。
「映像」をひとまとめにして「学問」的に教えていく、「手法」をまとめて伝える、といった観点から見たとき、
そこでは、「映画」も「撮影」も「照明」も、その他の「映像のスタイル」も「手法」も、なにもかも一緒くたに教えられている、というのが、現状ですね。
ところが、映画と映像は、ある意味まったく別物で、例えば、
「映画」の「論理」と、「テレビの番組」の「論理」はちがうわけで。
そう考えると、「MV」も「独自の位置」において、考えなければいけないかなと。
…あ、話が難しくなりました。
MVが「教えづらい・芸術として発展しづらい原因」の一つは、
その「歴史」 がまとまっていない、ということかなと、かねてから言われておりまして…。
で、
その第一歩が、この「名作を知ろう!」になります。
と…、
前置が長くなりました。
ようやく…!
今日ご紹介するMVの「名作」は、こちら。
" RINJIN "。アーティストは「レピッシュ」です。
バンドに関する詳しい知識は、もちろんこちらで。
この " RINJIN " 、いわゆる「フィックス(固定)のカメラ」でメンバーに「リップシンク」させて、何回か撮った「映像」を「カット」で切り替えていくという、非常にシンプルな「構造・作り」です。
でも、なんともかっこいいですね。
(この作品を作ったディレクターは、まだ現役でMVを作っています! そういう「長命」なディレクターがいるんですよ!)
これに似ていて、
「何回か撮った映像」を使うのではなく、「一回分の映像」をそのまま使う、という手法が、いわゆる「ワンカット・フィックス」みたいに言われる「作り」になるわけなのです。
その「手法」「作り」の名作と言えば、これ。
MV界では、この手法そのものを「ビーマイベイベー」(体操の技の名前のようなものですね)、と呼んだりします(嘘です)。
なお、このディレクターも、まだ活躍中!
話は戻りますが、レピッシュの " RINJIN " …。
★背景は一切動かず変わらず
★メンバーだけが動いたり楽器の配置が変わったり
…それだけで見せ切るという、メンバーたちの動きの良さがないとできない仕上がりです。
なんか「ぱたぱた変わる」って感じが、この「手法」の特徴と言ってもいいでしょう。
曲調にもぴったりです。
簡単そうだけど、この手法をやろう!というアーティストは、今やなかなかいないですね。
(せっかく撮るなら、いろいろやりたい!と考えるアーティストやレコード会社の人が多い、というのも、ネガティブな意味で、この「手法」が使われない要因かもしれません)
よく見ると、
背景の空の上の方が少し「暗く(パープル系に)落されていて」
(「落とす」というのは、「暗くする」という意味なのですが)、
画面の全体はブルーに調整されている
(ブルー系にカラーコレクションされている、と、言ったりします)。
色も、いいですよね。当時はこの「色調整」
(を撮影現場でしていなければですが)
は、ビデオの編集室に行ってあーでもないこーでもない、とやっていたわけなんですが、いまや、誰でも持っているパソコン
でも可能ですねー。
あ、この「手法」、YouTuber のみなさんがつかいやすいものですね!
みなさんも、自分のバンド(に限りませんが)のMVを撮る時、もしくは、YouTuberをやるときに、
★考えなしにカメラを固定するのではなく
★こういうMVの名作がある!ということに思いをはせつつ
「フィックス(及びワンカット)」をやってみましょう!
では、また。
ブログの最上部、kampsite(キャンプサイト)のHPとYouTubeのご案内もありますので、一度みてみてください!