MV・音楽ビデオをおすすめ!ミュージックビデオセレクト by 川村ケンスケ

映像のプロが、年間 約300曲!の 洋・邦 音楽ビデオ / MV / PV / ミュージック・ビデオを紹介。 全て「おすすめ映像」です! ブックマークしてね。

第80回【おすすめ音楽ビデオ!】音楽ビデオ学校!ケミカル・ブラザーズとビートルズ!音楽ビデオを作ることにおける、発想のあり方を暴露!(あ、僕の考えの暴露、ですのであしからず)

今日は、音楽ビデオの学校、を開きます!起立!礼!

なんか、80回目で、キリもいいし(あんま関係ないか)、すでに某所でこの内容を読んだ方もおられましょうが、内容的に「濃い」ものが書けたので、こちらで紹介!

ケミカル・ブラザーズ、といえば、90年代のデジロック・ブームに乗っかって、いちやくトップ・アーティストになった、DJ&ミュージシャンですね。

f:id:ksmvintro:20170123222826j:plain

 

 

この曲は、聞いたことある人が多いでしょう!

www.youtube.com

 

今日は、その「ケミカル・ブラザーズ」の音楽ビデオが作られる過程…というか、音楽ビデオ/MV/ミュージック・ビデオが作られるときに考えられる「過程」を…わたくしの、全くの「妄想」(笑)に基づく「分析」で、明らかにします

(というか、「妄想」での「分析」なので、なにも「明らか」にはなりませんが、「発想」のプロセスを知る一助、にはなるかな、と)。

 

 

で、今回考える材料を、ケミカル・ブラザーズの「Let Forever Be」(1999) にしました。

www.youtube.com

監督は、おなじみ(どこで誰に?)ミシェル・ゴンドリー

ミシェル・ゴンドリー - Wikipedia

さまざまな、映画や音楽ビデオ、コマーシャル・フィルムを監督しています。

 

後で、どんな監督なのか、チェックしておきましょうね!

 

さて、

この「Let Forever Be」、ご覧いただければわかるように、

アナログな面白さ満載の、傑作ビデオですが。

 

いったいぜんたい、どうして、「この曲から、この映像に至ったのか」、

ということを、考えてみよう、ということです。

 

「もしやそういうこと?」って気づいたとき、「あー、そういうことって大事やねー」って、心から思ったので、このお話、映像制作者の方々にもお読みいただきたく…。 

 

まず、

このビデオの0:34くらいから、

歌が入った1行目…

"How does it feel like, to wake up in the sun?"

(陽の光の中、目覚めるのはどんな気分だい?)

という歌詞。

 

この歌詞の「言葉」と、歌の声の雰囲気…

 

この映像と比べてみる…

www.youtube.com

0:18ころから、流れている曲

"How does it feel to be one of the beautiful people?"」

(素敵な人々の一人になるってのは、どんな気分だい?)

(この「素敵な人々」というのは、「お金持ち」のことを指すのですが)

(だから、「ソーシャル・ネットワーク」のこのシーンで使われたのでしょうが)。

 

 この二つ…似てませんか?

 

 "How does it feel" まで、一緒ですね。

 

 

 

それって、偶然じゃん!

 

 

 

…そうかもしれませんが、

 

 

音楽ビデオの「発想」のプロセスを暴く!

 

 

そうでもないんです!

 

ただ、似ているだけではないんです!

 

ケミカル・ブラザーズ側の「ふかーい、ふかーい、ビートルズへの思い」が、感じられるのです。

 

だからこその、映像を合わせる側の、ミシェル・ゴンドリーの「映像での回答」も、上記のビデオのようになるのです。

 

 

では、その「思い」を分析しましょう!

 

 

ケミカル・ブラザーズは、この "Let Forever Be" の前に、

"Setting Sun"(1996)という曲を出していて…

www.youtube.com

この曲で彼らは、

Oasisのギター・ボーカル・ソングライティングを務める ノエル・ギャラガーを、ボーカルに起用。

 

ご存知とは思いますが、Oasisノエル・ギャラガーは、完全なビートルズ・フォロワー。

 

Oasisの曲でも、もしくはその音楽ビデオでも、ビートルズへのオマージュたっぷりの作品を発表していました。

www.youtube.com

 

映像なんかは、決して似ているわけではないのですが…

www.youtube.com

 …なんか、ね。

 

あと、

なんとなく、ドラムの音・フレーズとか、「グルーブ(ノリ)」とか。

www.youtube.com

 

 

そんな、「ビートルズ・フリーク」と言ってもいい、ノエル・ギャラガーを、今回のテーマ曲である、この「Let Forever Be」にも、再起用し、

 

"How does it feel"

 

と、歌わせる。

 

そして、

その「Let Forever Be」の冒頭、

★重めのストリングス(弦楽器)のフレーズは、

www.youtube.com

「Strawberry Fields Forever」の1:00くらいから聴こえてくるストリングスに似たムード。

もしくは、

 

 

★ドラムの音は、

www.youtube.com

ビートルズの「Rain」に、どことなく似ている。

もしくは

www.youtube.com

ビートルズ「I Am The Walrus」のドラムやストリングスのムードにも。

 

そんな中、

あ、こんなのもありました。

www.youtube.com

だよねー。

 

 

…と、

それくらい、「Let Forever Be」と「ビートルズ」の間の「関連」は深く!

 

っていうか、音が似てるよねー!って、そういうことをただ言ってるだけなんですが。

 

でも、その「似てるよね」ってことを、言葉にしたり、説明したりすること、は、音楽ビデオ/MV/ミュージック・ビデオを作るときに、周りの人々に「考えていること」を説明する上で、とても大事な要素なのだろうと思うのです。

 

なにしろ、我々が相手にするのは「ミュージシャン!」ですからね! 

 

うん、極め付けは、

www.youtube.com

「Let It Be」ですね。もう関連は明らか。「Let Forever Be」ですからねー。

 

その瞬間に、リンクが発見されるわけだし。

 

あ…

「Strawberry Fields Forever」の「Forever」を、「Let It Be」の「It」と入れ替えてるのですね。このことは、今日気づきました。

 

 

…で、この「関連」に関し、

ミシェル・ゴンドリーは、おそらくケミカル・ブラザーズからなにも解説されてはいないだろう、と、想像します。まあ、いわずもがな、ってことか。

 

(解説したかもしれないけど、それくらいわかるだろー、もしくは、音を解説するっていうのはあり得ないよね、あほくさくて、って思うのが普通な気がします)

 

 

それに対し、

ミシェル・ゴンドリーは、自分の感覚として、もしくは、上記のように考え

(たかどうかはわかりませんが)、

ビートルズ」とのつながりを「確信」し、

(なぜなら、ミシェル・ゴンドリー自身も、ミュージシャンであり、ドラマーなので)

 

 

ムムム…「ならば、サイケデリック(しかもややコミカル)」に!なぜならビートルズの中期(前述した曲たちの発表された時期)は「サイケデリック」(もっといえば、ドラッグ的)な表現に傾倒していたから。

 

そうか、

サイケ…万華鏡のようなイメージ…すでに1999年当時には、そういうエフェクトは当たり前に身近なものだったので、そういう方法でいけば、よりデジタルな(言い換えれば「デジ・ロック」な)仕上がり、になるだろうが。

いや、この曲がビートルズへの「デジタル世代の完璧なオマージュだとしたら」、手法は「デジタルではなく、アナログ」であるべきかもしれない。

デジタルな繰り返しを、すべてアナログ…実際のセット等でやってみる!

 

そこに、デジタル・エフェクトをさりげなく加えて…。

 

そういう仕上がりが、「ケミカル・ブラザーズ」の「ビートルズ」愛を如実に示すことになるだろう!

 

と、

思ったとか、思わないとか(笑)。妄想です。

 

 

 

あ、ポイントは…

 

音楽ビデオの演出・アイデアを考えるとき、最も大事なのは「題材になっている『その音楽』」そのものなのだ、ということ。

 

 

「音」から離れた「音楽ビデオのアイデア」ほど、スリルのないものはないのです。

 

「音」を聞き、言葉を聞き、分析し、

 

「音を作ったミュージシャン」の「思い」を汲み取る。

 

ときには、和音を考え、

ときには、音質に注目し、

ときには、ミュージシャンの姿を見続ける。

 

 

そんな、音楽ビデオを、わたしは見たい!

 

そんな See Your Music!を、わたしはしたい!

 

でした! 

 

 

さあ、映像マニアもしくは映像制作者・社の方々、こういう映像の発想もありますよ!

忘れないでねー!

 

>>>>>>>>>>>

お読みいただき、ありがとうございました!

キャンプサイトはインディーズ音楽の「映像」を専門に「公開」「制作」しています。

YouTube : kampsitejp  https://www.youtube.com/?gl=JP

Facebookも。 https://www.facebook.com/kampsite.co.jp/

ホームページはこちら。http://www.kampsite.jp

このブログでも書いてます。『昨日より今日はもっと×2!素敵』 BLOG(イケてる大人計画)

>>>>>>>>>>>