今日は、音楽ビデオの学校、を開きます!起立!礼!
なんか、80回目で、キリもいいし(あんま関係ないか)、すでに某所でこの内容を読んだ方もおられましょうが、内容的に「濃い」ものが書けたので、こちらで紹介!
ケミカル・ブラザーズ、といえば、90年代のデジロック・ブームに乗っかって、いちやくトップ・アーティストになった、DJ&ミュージシャンですね。
この曲は、聞いたことある人が多いでしょう!
今日は、その「ケミカル・ブラザーズ」の音楽ビデオが作られる過程…というか、音楽ビデオ/MV/ミュージック・ビデオが作られるときに考えられる「過程」を…わたくしの、全くの「妄想」(笑)に基づく「分析」で、明らかにします
(というか、「妄想」での「分析」なので、なにも「明らか」にはなりませんが、「発想」のプロセスを知る一助、にはなるかな、と)。
で、今回考える材料を、ケミカル・ブラザーズの「Let Forever Be」(1999) にしました。
監督は、おなじみ(どこで誰に?)ミシェル・ゴンドリー。
さまざまな、映画や音楽ビデオ、コマーシャル・フィルムを監督しています。
後で、どんな監督なのか、チェックしておきましょうね!
さて、
この「Let Forever Be」、ご覧いただければわかるように、
アナログな面白さ満載の、傑作ビデオですが。
いったいぜんたい、どうして、「この曲から、この映像に至ったのか」、
ということを、考えてみよう、ということです。
「もしやそういうこと?」って気づいたとき、「あー、そういうことって大事やねー」って、心から思ったので、このお話、映像制作者の方々にもお読みいただきたく…。
まず、
このビデオの0:34くらいから、
歌が入った1行目…
"How does it feel like, to wake up in the sun?"
(陽の光の中、目覚めるのはどんな気分だい?)
という歌詞。
この歌詞の「言葉」と、歌の声の雰囲気…
この映像と比べてみる…
0:18ころから、流れている曲
"How does it feel to be one of the beautiful people?"」
(素敵な人々の一人になるってのは、どんな気分だい?)
(この「素敵な人々」というのは、「お金持ち」のことを指すのですが)
(だから、「ソーシャル・ネットワーク」のこのシーンで使われたのでしょうが)。
この二つ…似てませんか?
"How does it feel" まで、一緒ですね。
それって、偶然じゃん!
…そうかもしれませんが、
音楽ビデオの「発想」のプロセスを暴く!
…そうでもないんです!
ただ、似ているだけではないんです!
ケミカル・ブラザーズ側の「ふかーい、ふかーい、ビートルズへの思い」が、感じられるのです。
だからこその、映像を合わせる側の、ミシェル・ゴンドリーの「映像での回答」も、上記のビデオのようになるのです。
では、その「思い」を分析しましょう!
ケミカル・ブラザーズは、この "Let Forever Be" の前に、
"Setting Sun"(1996)という曲を出していて…
この曲で彼らは、
Oasisのギター・ボーカル・ソングライティングを務める ノエル・ギャラガーを、ボーカルに起用。
ご存知とは思いますが、Oasis/ノエル・ギャラガーは、完全なビートルズ・フォロワー。
Oasisの曲でも、もしくはその音楽ビデオでも、ビートルズへのオマージュたっぷりの作品を発表していました。
映像なんかは、決して似ているわけではないのですが…
…なんか、ね。
あと、
なんとなく、ドラムの音・フレーズとか、「グルーブ(ノリ)」とか。
そんな、「ビートルズ・フリーク」と言ってもいい、ノエル・ギャラガーを、今回のテーマ曲である、この「Let Forever Be」にも、再起用し、
"How does it feel"
と、歌わせる。
そして、
その「Let Forever Be」の冒頭、
★重めのストリングス(弦楽器)のフレーズは、
「Strawberry Fields Forever」の1:00くらいから聴こえてくるストリングスに似たムード。
もしくは、
★ドラムの音は、
ビートルズの「Rain」に、どことなく似ている。
もしくは、
ビートルズ「I Am The Walrus」のドラムやストリングスのムードにも。
そんな中、
あ、こんなのもありました。
だよねー。
…と、
それくらい、「Let Forever Be」と「ビートルズ」の間の「関連」は深く!
っていうか、音が似てるよねー!って、そういうことをただ言ってるだけなんですが。
でも、その「似てるよね」ってことを、言葉にしたり、説明したりすること、は、音楽ビデオ/MV/ミュージック・ビデオを作るときに、周りの人々に「考えていること」を説明する上で、とても大事な要素なのだろうと思うのです。
なにしろ、我々が相手にするのは「ミュージシャン!」ですからね!
うん、極め付けは、
「Let It Be」ですね。もう関連は明らか。「Let Forever Be」ですからねー。
その瞬間に、リンクが発見されるわけだし。
あ…
「Strawberry Fields Forever」の「Forever」を、「Let It Be」の「It」と入れ替えてるのですね。このことは、今日気づきました。
…で、この「関連」に関し、
ミシェル・ゴンドリーは、おそらくケミカル・ブラザーズからなにも解説されてはいないだろう、と、想像します。まあ、いわずもがな、ってことか。
(解説したかもしれないけど、それくらいわかるだろー、もしくは、音を解説するっていうのはあり得ないよね、あほくさくて、って思うのが普通な気がします)
それに対し、
ミシェル・ゴンドリーは、自分の感覚として、もしくは、上記のように考え
(たかどうかはわかりませんが)、
「ビートルズ」とのつながりを「確信」し、
(なぜなら、ミシェル・ゴンドリー自身も、ミュージシャンであり、ドラマーなので)
ムムム…「ならば、サイケデリック(しかもややコミカル)」に!なぜならビートルズの中期(前述した曲たちの発表された時期)は「サイケデリック」(もっといえば、ドラッグ的)な表現に傾倒していたから。
そうか、
サイケ…万華鏡のようなイメージ…すでに1999年当時には、そういうエフェクトは当たり前に身近なものだったので、そういう方法でいけば、よりデジタルな(言い換えれば「デジ・ロック」な)仕上がり、になるだろうが。
いや、この曲がビートルズへの「デジタル世代の完璧なオマージュだとしたら」、手法は「デジタルではなく、アナログ」であるべきかもしれない。
デジタルな繰り返しを、すべてアナログ…実際のセット等でやってみる!
そこに、デジタル・エフェクトをさりげなく加えて…。
そういう仕上がりが、「ケミカル・ブラザーズ」の「ビートルズ」愛を如実に示すことになるだろう!
と、
思ったとか、思わないとか(笑)。妄想です。
あ、ポイントは…
音楽ビデオの演出・アイデアを考えるとき、最も大事なのは「題材になっている『その音楽』」そのものなのだ、ということ。
「音」から離れた「音楽ビデオのアイデア」ほど、スリルのないものはないのです。
「音」を聞き、言葉を聞き、分析し、
「音を作ったミュージシャン」の「思い」を汲み取る。
ときには、和音を考え、
ときには、音質に注目し、
ときには、ミュージシャンの姿を見続ける。
そんな、音楽ビデオを、わたしは見たい!
そんな See Your Music!を、わたしはしたい!
でした!
さあ、映像マニアもしくは映像制作者・社の方々、こういう映像の発想もありますよ!
忘れないでねー!
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お読みいただき、ありがとうございました!
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