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第797回【おすすめ音楽ビデオ!番外編】ゴダイゴ「銀河鉄道999 / テイキング・オフ! 〜 シン・ミックス」リリースで、1979年のオリジナルのミックスと聴き比べてみた、なハナシ!

おすすめ音楽ビデオ

ベストテン 日本版!

…の番外編!

 

 

ゴダイゴが(あのCMソングになったことがおそらくきっかけで)

銀河鉄道999 / テイキング・オフ!〜 シン・ミックス」

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…という「新たなミックス・バージョン」をリリースした!

 

ゴダイゴが、というか、レコード会社がリリースした!ということだとは思うのですが…)

 

えっと、

 

この「シン・ミックス」というサブタイトルはいかがなものかと思いますが…(笑)

ゴダイゴの「新音源」が出ることは喜ばしいことで。

 

でも聞いてみたら、その差がとても面白かった!

 

タケカワさんの後輩(東京外国語大学の同じ学科)である川村としては、

「オリジナル」と「シン」を聴き比べて、いったい何が変わったのか!?早速レポートです!

 

 

 

まずは…

銀河鉄道999 〜 シン・ミックス」

から。

 

 

★ここが違うぜ!

 

 

◆オリジナルは全体に「リバーブ多め」な印象。

 これは、1979年とか、80年代初頭の日本の音楽の音バランス…

 とは言ってもそんな中でゴダイゴの音は、リズム系にパンチのある音量バランスだっ たのですが…。

(とくに、前年のアルバム「西遊記」は、ドラムの音の迫力がこの上ない!この後に出た「OUR DECADE」は、ややリズム隊が抑えめのミックスだったが)

 

 一方、

 「シン」は「ややドライ」(エコー少なめ)で、演奏のダイナミクスやディテールが強く伝わってくる感じ。好きです!

 

 

◆イントロの「ピアノ」?「モジュレーション…シュワ〜ンワンワンみたいな…フェイザーかな…」がエフェクトとして足されている。

 

 

◆Aメロやサビ、それぞれのパートの終わりにある「ちょっと伸ばす所…楽器とか声とか」に少し「モジュレーション…シュワ〜っという感じの…フェイザーかな」が、お決まりに入ってくる。

 

 

 

「シン」のほうは、ボーカルの「リバーブ」が少ないので、

 ボーカルの「ダブル」…同じ歌を2度録音して重ねる手法…の感じが、よりはっきりと聞き取れる。

 

 「シン」の方ではさらに、

 Bメロで、その「ボーカルのダブル」を「一本=シングル」…一回分の歌のみ…にしている。

 また、その分?ミッキーさんのオルガンの「(ギターでいう)カッティング?」プレイがくっきりと聞こえてくる。

 なお、ボーカルの「ダブル」は「見つめて〜る〜…」で、戻ってきている。

 

 この「Bメロのダブルなし」によって、

 「あの〜人はも〜お〜」のあたりの「微妙なピッチ(音程)感」…

 Bメロに入った時に「キーが転調している」ことで起きていると思う印象…の、いわばちょっとした違和感、それがやや強調されていることは、否めないかなあ…。

 でも、その分!

 タケカワさんの「若い声」がダイレクトに聞けて、嬉しい!という印象を持つかもしれません。

 

 

◆オルガンソロ前の「ピアノのグリス・ダウン」がちょっと小さい。

 ソロ前の「句読点」的には、もう少し大きくても…!?

 

 

◆そしてそこからオルガンソロ…

 「オリジナル」ではオルガンは「ディレイ(エコー)で、右側メインでステレオ=左右に広げられたミックス」なのに対し、

 「シン」では「モノラル的=中央に寄せられたミックス」であることで、

個々の音符の「切れ際」がはっきりし、そのおかげで切れ味くっきりと、聞こえる気がします。

 

 

 

★そして、最も違うのがコレ!

 

 

◆いわゆる「後奏」…

 “The Galaxy Express 999 will take you on a journey, a never-ending journey, a journey to the stars”

 …を左右で掛け合って繰り返すトコロで。

 

 「オリジナル」では…

 そのままその状態を繰り返してフェードアウト、でした。

 

 「シン」では…

 上記の歌を4回繰り返した(20小節分)あとに、

 ”journey to the stars”を「中央で」伸ばして、

 そのあとは、「演奏だけ」になって、フェードアウト!

 

そしてここからがこの「シン」ミックスの白眉!

 

 今まで「左右に配置されたボーカル」の影に隠れて聞こえづらかった…

 (「オリジナル」では、オルガンの主たる音が右側に配置されていたので)

 

 「シン」では、オルガンの演奏が「中央に配置されている」ことで、ソロが強調されていて、かえって他の楽器もクリアに聞き取れる!

 

 そこから聞き取れるゴダイゴの演奏力の高さにも、感動!

 

 

これ願わくば…

「ビューティフル・ネーム」の「アウトロがフェードアウトしてないバージョン」的なものが聴けたら嬉しかったかも(笑)。

 

 

 

★ここは、違わないぜ!

 

「シン」では、ドラムの印象が「妙に新しい感じの質感」に変えられて「いない」、

そして、ドラムとベースの音量バランスも「オリジナル」に近い、それが好感!

 

実は、ここが「時代感」を決定づける重要な要素なので、

この「違わないぜ!部分」は、「オリジナル」の雰囲気をキープするのに重要な要素かもです。

 

 

 

 

 

続いて…

「テイキング・オフ! 〜 シン・ミックス」。

 

 

★ここが違うぜ!

 

 

◆イントロの印象的な「リフ」(リフレイン=フレーズ)、

 その5小節目からはいる、

 ピアノとユニゾン(同じフレーズを弾く)するギターの音量が、「シン」は「オリジナル」より大きい。

 「あ、ここからギターが入るんだね!」と改めて気づかされたくらい。

 

そして、ここで気づくのは…

◆「ドラムの音」が、「今っぽく」なっている ということ!

ちょっと「ゲート・リバーブ」ぽく、そして響きの成分が「高音域が耳に入ってくる感じ、になってるかな…

新しい音、を聞いている気分になります。

 

◆ボーカルの処理も「ダブルの重なる量」を少し減らして

(声を一本分に近いバランスにして)、

声が「クリア」に聞こえるようになっています。

 

◆「Taking Off〜」と、伸ばしている所は、ディレイ(エコー)で「飛ばして」(余韻を追加して)います。

 その後の「新しい星を」のあたり、「シン」のほうが「生々しく」声が聞こえますね。

 ああ、こんな感じでスタジオで歌っていたのか…くらいまで思ってしまう、そんな処理です。

 

 

そして…

 

「シン・ミックス」で一番変わったのは…

 

ギターソロの処理!

 

「オリジナル」では、リバーブをやや深めにかけて、

コンプ強めのクリアトーンのギターの音色の処理としてはある種スタンダードな感じの仕上げになっていますが、

 

「シン」では、その「リバーブ」をほぼ無くして、おそらく「極々短い『ディレイ』」をかけて、

 元音のダイレクト音を聞いているような感じに仕上げています。

 

これは逆に今っぽい処理かもですね!

 

 

 

ということで!

 

以上、

銀河鉄道999 / テイキング・オフ!」〜シン・ミックス を聞いて、「オリジナル・バージョン」と比べてみた!

 

でした。

 

 

 

こういう「微妙なリミックス」がいいですね。

 

90年代から2000年代初頭あたり?に多かった「過去音源のリミックス」音源の発売時に感じた

「音は、クリアになった!」

「でも、今聞くと、オリジナルリリース時の時代感が失われているな…」

みたいな、二律背反的な感想を抱くことが多かった…。

 

 

今回のアプローチは、「オリジナル音源の価値」を引き出すミックスで、しかも時代感キープ!という

なかなか優秀なものだったのではと思っています。

 

 

「NAKED」的なところまでマニアックに行きすぎず、しかし、今の耳にマッチする、みたいな。

 

他の音源も、このアプローチしてくれないかな…

(でないと、自分でMS処理したくなっちゃいます・笑)。

 

 

 

 

 

 

 

なお、普段このブログは、日本の音楽ビデオ/MV/ミュージック・ビデオで、

  ★『おすすめ音楽ビデオベストテン!』

 を作ってしまおう!という、大それた(笑)企画を展開しています。

 

 

 その「ルール」は… 

 

★川村ケンスケ a.k.a.映像大好きkk の YouTubeアカウントに「おすすめ」等々の形で現れた「音楽ビデオ/MV/ミュージック・ビデオ」のなかから

 

川村ケンスケ a.k.a.映像大好きkk  視点で選んだ「10曲」の中から…

 

「公開開始日」が、今日から「1ヶ月以内」という条件で(これは、若干伸び縮みします…)

 

★「総視聴数」を「公開されている日数」で割って…公開からの「1日平均の視聴数」を割り出し

 

その数の多い順で、チャートにしたもの!

 

 

…です。

 

総視聴数と、1日あたり視聴数、それらの数字の「印象」の差なんかも、ちょっと感じられて、なかなか面白いチャートです! 

 

 

わたくし、映像大好き a.k.a 川村ケンスケは、2019年は…

www.j-wave.co.jp

に出演しました。

 

そして…同じく2019年2月には、同じくJ-WAVEにて…

「おすすめ音楽ビデオ ベストテン 日本版」! のラジオ番組が、 わたくしのナビゲータで放送されました!嵐や安室奈美恵スカパラのMVの制作秘話も!内容、こちらに再録!

www.waja-next.com

…という意味でも、注目のこのMVチャート。

 

あくまで、冒頭に書いた基準にのっとっており、意見には個人差があるということで。

 

一つの「音楽」「映像」の見方として、捉えていただければ、と、思っています!

 

 

 

BRUTUSさん…サンレコさん…ベストヒットUSAさん…こんな視点のブログ、いいですよね?(自画自賛

 

 …こういう風に、いろんな「観点」から音楽ビデオ/MV/ミュージック・ビデオを紹介していく「テレビ番組」とか、もうないしね!かつては、テレ朝系でやってたときのMTVの1時間番組は、そんな感じで、「あー、この音楽ビデオを見たらいいのか!」って、一つの基準になってたなあ、と、思い出しました。

 

そんな気分で、毎回この【おすすめ音楽ビデオ!】を書いています。

 

 

 

  

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