マドンナをたまたま見ました。2015年のビデオですが。
これも、また、ワンカット風の仕上げです。
このブログを読み続けてもらっている人はそろそろ「あ、ここがつなぎ目ね」と、ちょっと意地悪な見方もできることでしょう。頑張ってワンカットになるようにしてきてるけど、3:50位からそのコンセプトは崩れてますが…そこがとても残念。普通のビデオになってしまった感ありです。
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マドンナのビジュアルの作戦が興味深い!
この「Bitch I'm Madonna」では、
「マドンナは、オーディエンスから遠い存在じゃないんだよ」という雰囲気をメッセージとしてうちだしていることがよくわかります。のちに述べる「Rebel Heart Tour」でも同様なメッセージが色濃く出ていましたが。
このビデオ…
パーティーという設定、そのムード、出てくる様々な人と「フランクにクレイジーにからむ」、ということ…実は「パーティーというもの自体が、ユーザーサイドがやってるもののほうがクレイジーでハッピーだ」ということに、マドンナが同化していく、そんなメッセージが伝わってきます。
その作戦、すでに2005年…
から始まっている気がします。このビデオでは、マドンナがプライベートっぽくダンスしている風から始まりますね。カメラもドキュメント的な視点で見ている。その設定がそれまでのマドンナになかったものです。
そしてインサートされてくるのは、ストリートの(エクストリームな)ダンサーたち。ストリートも、マドンナからは「遠かった」ものです。
そのビジュアル設定からは、
「マドンナがストリートに目配せしている」
ということが、伺えます。
余談ですが、マドンナ当人の「スタイル」は、もちろん音の方のベースがABBAなので、ABBA風…
…なんでしょうか。というか、ABBAがいつもこんな格好ではないですが…。
ん?どちらかといえば、kate bush…
かも。
いずれにせよ、Late 70'sなんですね、ABBAもkate bushも。
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マドンナは作戦を変えたのですね!
それはさておき、
この「Hung Up」の前のマドンナは、2003年の「American Life 」というアルバムでしたが、それはこんなビジュアルでした。
スタイリッシュとクリティシズムの塊。マドンナは「一般の世界より『上』の視点から」見ている・作っている、というメッセージが伺えます。
そこからの「Hung Up」ですから、視点の変化や差は、歴然です。
メッセージを伝えるにあたり、
「それまで音楽ビデオがやってきた『空想の世界』」での設定で、それを行うという方法論ではなく、
「オーディナリー・ワールド」と交わる、という作戦」をとる。
とてもクリアに伝わってきます。
それが証拠に、前述の「Hung Up」は、
『全米だけでも約870万枚を売り上げ、マドンナの歴代シングルの中でも最高のセールスを記録』(出展:ハング・アップ - Wikipedia)したのでした。
そうそう、
今年の「Rebel Heart」のツアーでは、マドンナはステージから降りてお客さんとからむ、ほどのことまでやってのけました。それがたとえ「仕込みであってもなくても」、そういう行為をすることが「ユーザーの心をつかむのだ」という信念を感じられて、「すごいなー」と思ったことを思い出します。
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「Bitch I'm Madonna」と「Ray of Light」
この2本のビデオは、同じディレクターでした。ヨナス・アカーランドという監督。
「Ray Of Light」はこんなでした。
この撮影は、いわゆるタイムラプスで。長時間のコマ撮りで、いわば「間を圧縮」していく撮影手法です。この「元」は、
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コヤニスカッティを見るべし!
「コヤニスカッティ」という映画に見られます。
(「Ray Of Light」を見たときに「コヤニスカッティ」じゃん!と絶叫した人は僕だけではないはず)
このアルバム「Ray Of Light」の頃は、マドンナが子を産んだばかりで、そのことを歌にした曲があって、それはすごく心に響いた記憶があります。
ちなみに、このビジュアル・文字の感じ、大好きです。ジャケも良かった。
また、マドンナ考察したいと思います。
では、See Your Music!
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